導入の特徴
99年3月にはじめてマルチメディア教室(22台のPC)を設置。 図書館の蔵書検索なども含めた環境構築を行う。
2000年12月には、さらに20台のPCと、タブレットの使用できる美術用の端末を5台、音楽用のDTM端末を1台を追加。また、全教室に無線LAN(2Mbps)を設置。11Mbpsでは、1つのステーションで広範囲をカバーしにくいため、2Mbpsを使用。
学校内にアクセスポイントは8つだけ。これだけでも、工 夫すれば、全教室をカバーできる。
2001年12月には、 第2マルチメディア教室、ノートPCを自由に使える第3マルチメディア教室の構築、ADSL回線の導入も予定している。
校長室・職員室・教科の部屋はまだネットワークには接続していない。 「どうして職員室でもつかえないの?」と文句が出るのを待っている。生徒がノートPCを持ち出し、ネットミーティングで教師の様子をライブ中継するなど、日常の中で生徒が利用できる場面をつくっている。休み時間の開放もその1つ。
→使い方でカバーする。現実的なムリをしない導入プランを工夫している点がいい。
何に使いたいのかをはっきりさせて、少しずつ導入をすすめていると感じた(長尾先生:信愛女学院)。
休み時間の活用について
昼休み・授業後の時間を生徒が自由に使用できるように開放している。教師が常駐することにしているが、メールを通したトラブルの危険性なども考えられるため、講習会を課し、受講した生徒にのみ、利用許可証を発行している。すでに100名ほどが受講したている。
Q:講習会の内容、受講状況について?森本先生
→ 希望者が集まった段階で、放課後に時間をとっている。教材は、イントラネット上に公開している。
教科でインターネットを使うような場合には特に講習は課していない。 生徒の画面が教師機に転送されていることを説明しておく。 掲示板、占いサイト、絵をかく、自分のホームページを更新したり、
エクセルを使って授業の課題に取り組む子もでてきている。 利用者は100人を超えた(小池先生)
Q:他の学校でも、同様に休み時間にPC室を開放している学校はありますか?(長尾先生:信愛女学院)
→昼・放課後に開放している。放課後は、生徒がなかなか帰ってくれないほど。総合の試行としての選択講座で、ネットワークを活用した共同作業を組み入れた単元を実践しているため、そのための時間として開放をはじめた。現在は10名程度。講座受講生にも広がりはじめている(小林先生:清教学園)
→2年前にネット導入した段階から自由に開放している。図書館等でも活用。ただ、端末PCは半期に1度再インストールする必要がでてくる。
メールアカウントを発行するために、生徒・保護者に説明会を開催している。(大峠先生:茨木養護学校)
教科におけるIT活用について
英語、 中学理科(表計算)、 社会公民(Webで白書をみる)、 音楽、 美術、中学家庭科、 宗教で利用。 担当教師がやってみたいことを小池先生がサポートする体制づくりを進めている。
Q:ICTコーディネータの役割について。まわりの先生がどうみているか?仕事の範囲について合意形成ができているか?
教科情報の先生とコーディネータ、それぞれの役割分担はどうか?(長尾先生:信愛女学院)
→総合のTT、機器の管理、教科のサポートをするために、担当時間数を「情報」として振り替えている(小池先生)。
→短期集中の情報講座以外に授業はもっていない。専任の情報コーディネータを担当している。
機器のメンテナンス、配線もすべてやっている。教務の情報化からはじめ、まず教員をユーザにしてしまうことを重視している。校内研究用にメーリングリストをつくってほしいといった要望も出るようになってきた。ただ、授業で活用するには、教員の側にまだ利用したいという意識が育っていない。(小林先生:清教学園)
→使いたい教員からはじめ、「使ったら便利だった」という感想を持ってもらえるようなサポートをしている。無理強いはできない(小池先生)。
→生徒優先、先生優先、その中間など、学校によって情報化の進め方にはいくつかアプローチがありますね(長尾先生:信愛女学院)。
Q:教材作成にかけた時間、工夫などについて教えてほしい。(飯田先生:四條畷学園)
→ワークブックはすべて自作した。選択科目のため、使ってみたい教材がなかったため。イントラネット上の教材についても、今回の授業にあわせて用意した。ワード、パワーポイントで作成し、HTML出力したものを使用している。発音はすべて自分でPCに吹き込んだ。他に、Hot
Potatoes というフリーソフト(カナダのビクトリア大)を利用。クイズ形式の教材を容易に作成できる。本時以外にも、中学向けにもリスニングだけの神経衰弱などを作成した。
教材は、個別に利用し、自己採点している。学習のまとめ、振り返りの場面で活用した。生徒ごとの学習履歴の管理システム等は構築していない。
教材作成にはそれほど時間をかけているわけではない(20問程度のクイズに30分程度)。生徒は1つの教材を5〜10分程度で終えてしまう。操作に最初は手間取っていたが、細かな指導をしなくとも、数分でやり方を理解していた(Jolly先生)。
Q:イントラネットだけでなく、学校のWebサイトに公開すれば自宅で学習できるのでは?(長尾先生:信愛女学院)
→時期を限定して公開している(小池先生)
→他校とも自主教材を共有していくこともできたらいいですね。(長尾先生:信愛女学院)
Q:本時以外には、どの程度こういった教材を利用した授業をされているのか?(飯田先生:四條畷学園)
→中学、高校でも実施。 毎回では飽きられるだろうし、時期をみて月に1回、単元の終わりなどに活用している。
同じスタイルの授業だけではつまらない。いろいろな授業を試したいという動機から、PCの活用を組み込んでいる(Jolly先生)。
Q:常勤(専任)ですか(飯田先生:四條畷学園)
→12年(+講師4年)勤めている。 教材をつくりはじめたのはPC室ができてから。ワープロが使える程度で、プログラミングなどはできない。それでも、こういった教材をつくることはできます。PCを利用した教材をつくるかどうか?これはやる気の問題だ!やろうと思えば簡単にできること(Jolly先生)。