意見交換会では、大阪府私学教育工学研究会会長の重森先生のご挨拶のあと、研究授業について活発なやりとりがされました。参加人数は40名。府立高校からも、情報教育研究会の代表幹事山下先生(大阪府立阿武野高校)と、北千里高校の吉村先生が参加されました。
今回の実践について
(津田先生からのコメント)
・ワープロ2級検定も合格基準の子もいる。カナダ(1年間留学)でも授業で使っている。 でも,漢字変換や,フォルダ概念は教える必要がある。
・生徒主導の授業を目指している。司会進行も生徒にさせるが、もちろん事前準備・打ち合わせもおこなう。 生徒には「できるだけ先生には質問するな」と言っている。お互いに相談させたりヘルプを
見るよう指示。レベル差の激しいクラスでは、そうしないと質問の嵐に。
Q:自分でやったことのない授業で感銘を受けた。フリーソフトの確認はいつ?(小林先生:清教学園高)
→夏休み中に、100種類ほどのフリーソフトをダウンロードし動作確認。学校の古いPCは使用に制約があり苦慮。生徒の気持ちを「やりたいな」という気持ちでとめたまま(動機付け)その後,自宅で選んでこさせる。使えそうなフリーソフトは後日Webページに紹介します。
Q:今日の2コマだけで100ページ以上ものアニメーションを作ることができているのか?(高橋先生:東海大仰星高)
→今日の子たちだけ,特別に別枠で1時間作業時間をとった。でも,コピー&ペーストでやってけば,3時間程度で今日の
レベルの作品はできあがる。
Q:情報Aは遊び?こんな授業は遊びじゃないかと言われたときに,どう説得しますか?
→長くやりすぎはダメ。しかし,教えないとクリアできないところもある。楽しみながら学べるところは大切。
Q:生徒は物怖じせずによく発表できていた。 アニメーションのストーリー性や音楽のセンスなど,今後教師に問われるのかな?(
坂東先生:聖母被昇天)
→私は絵なんて書けません。でもコンピュータグラフィックとか扱う場面も出てくる。絵のセンスでは負けるけれど・・
何でもできる人間なんていません。そういう部分がないとダメ。(飯田先生:四條畷学園)
情報と他教科との連携について
Q:音楽(他教科)の先生との連携などはどうでしょうか?(
高橋先生:東海大仰星高)
→やっぱりやりたい。情報として今後必要だと思っているのは、共同作業,コミュニケーション活動、討論会などなど。そのためには他教科の先生方にもある程度コンピュータが使えるようになって欲しい。
→前回のアンケートからも,他教科の先生とティームを組みたいという先生が圧倒的に多い。
日本文教出版が 配布してくれた冊子、「体重計,のってわかる生活習慣」を読むと,他教科の先生とどう協力していけばよいかが, なんとなくイメージできるのでは。(長尾先生:司会)
評価について
Q:評価の実際について教えて欲しい。(
小池先生:プール学院)
→ワープロ検定の問題を利用したり、タイピングソフトのスコアを利用したり、生徒同士の相互評価も活用している。
→今の学校では3年生で6単位履修できる。内3単位でタイピング練習・ワープロ検定を受けさせている。(山下先生:府立情報教育研究会)
→作品の評価は難しい。結局は教師の主観なのかな。一生懸命やっているのを見ているだけに, そんなに低い点はつけられない。差もつけられない。10段階で6〜8以上つけちゃう。今度の情報は座学も入るので、ペーパーテストもできるかも?(飯田先生:四條畷学園)
→ 生徒も今日見ていると,「いいものはいい」という評価をしている。素直である。(長尾先生:司会)
Q:構成が非常にうまい子がいた。シナリオ作りの段階ではどんなヒントを与えているのか?(吉村先生:府立北千里高校)
→何もしていない。あの作品,活動に対して教師がどのようなサジェスチョンをすればよいのか,それは今後の課題。生徒間で作品の差もそれほどでない。作業時間の違いによる差はもちろん出る。
Q:「情報デザイン」という本を読んだ。情報免許講習にも項目がある。
情報の受発信には、デザインという行動が介在する。デザインの基本的な部分を理解する 必要があるのではないか。(小林先生:清教学園)
→作品だけを見ちゃうと,それは遊びに見える。 生徒の作品づくりのプロセスを追えば,どうデザインしているかが見えてくる。
評価もしやすくなるかも。(長尾先生:司会)
学校の情報化について
Q:コンピュータ関係のことはなんでも降りかかってくる。どうすればいいか?
(吉田先生:向陽台)
→頼まれても極力,すぐに行かないようにしている。家庭でPCを使っている先生も4割を超え,徐々に状況は変わっている。教員にPCの講習を数回しておく。
質問があったときに「それは講習でやりましたよ!」と答えると,質問が減る。プライドに訴えかける。
→PCを持つだけじゃダメ。 研修などにも積極的に参加して欲しい。
環境を整えることで先生同士の教えあいも起こる。 教師が成長することが必要である。(重森校長先生)
→ 大阪府情報教育研究会は、教科「情報」のための研究会で、ネットワーク管理者を育てるところではないと言われ出発した。しかしその後、情報科の教員が(ネットワークの)面倒見るのは当たり前と言われた。府の言い分として体育館を体育科の教師が管理するように、PC室,ネットワークは、
情報科の教師が管理するのは当たり前だと。 情報教育研究会に「研修部門」を設ける方向で検討している。(山下先生:府立情報教育研究会)
→ 学習に使うコンピュータ。教務に使うコンピュータ。質が違う。役割も分担しなければ。
教務をやっている先生が管理している場合はまだ摩擦は少ないが・・・。 家庭科の先生が情報の免許を取って,突然コンピュータの管理をまかされると,どうなるか?
第1回のアンケート結果にも、先生方の忙しさが出ていた。アンケートは 分析ができたらWebで公開しますが、「情報Aを1年生でやる」というのがいちばん多かった。(長尾先生:司会)
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