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「情報教育の現場で、先生方が悩んでいること。こうなればいいと思っていること」 西田先生:
近大付属高校ではパソコンそのものが足りていない。1学年24クラス、週2時間のクラスを担当しているが、実習教室を使う時間が決められていて座学の授業を入れなくてはいけない。連続して作業をしたい場合でも、座学の時間を入れなくてはいけないので、作業を忘れたり作品のクオリティが低くなってしまっている。だた、パソコンを使うことが情報の授業の全てではないので、座学の授業で情報の本質に迫れる授業が出来ないかと考えている。
田邊先生:
ハードやソフトが足りないという声は色々なところで聞かれる。その点で、座学で情報の本質に迫れる授業は注目すべき点。パソコン教室がなくても授業が出来る。(ネットワークを利用できるゲーム機を利用するなど)考える余地がある。
飯田先生:
全教室にパソコンは入っているが、授業で使っている先生はほとんどない。使うのは休み時間に生徒がちょっと使う程度。学校でIT化を進めているので、先生方にパソコンを使った授業を勧めているが、設備等の問題でうまくはいっていない。情報の授業においてはプレゼンテーション・表現の授業を多く取り入れている。中学校時代に人前でプレゼンをしたことがある人は?と聞くとほとんどいない。大学の入試でもプレゼンテーションを取り入れるところが増えている。プレゼンの機会を何度か経験させる必要性を感じている。去年やったことが今年は通用しないことが多いと感じている。
田邊先生:
他教科の先生方が使ってくれていないことは残念。やはり、教師のスキルアップという部分が求められてくる。北野先生は校長先生としてさまざまな先生方に使ってもらえるように希望しているのではないかと思うのですが。
北野先生:
校内の先生方、数名に研修に出てもらっている。夏休み等に講習も行っている。先生方がどこが得意でどこが苦手なのかという指標のようなものを作ってもらいたい。それを参考にその先生に合った研修を紹介できるような環境が必要。そして、授業に使うということでは、そこにパソコンがあってすぐにインターネットにつなげられるような状況が必要。具体的にこのような授業をやったが、あとこういうところが足りないということを学校現場から発信していくということをしている。
田邊先生:
先生によってやりたいことも技術もまちまち。個人のパソコンからインターネットにつなぐということが重要なのではないか。現状では、先生方はいろいろな問題を持ちながらやりたいことがある。フロアにいる人にそこを聞きたい。今の若い先生とベテランの先生との違いはどこにあるのか?飯田先生の場合は、夏の研修を受けて免許を取られていますが、こんなことをやりたいという夢はありましたか?
飯田先生:
今までは学校設定科目だったので、楽しいことを中心に出来たが、必修になったことでしなければいけない内容が増えたと感じる。
田邊先生:
大阪府立では、「情報」だけの教員免許で何人くらいが採用される状況ですか?
西田先生・猪飼さん:
当時は初年度だったのでとても少なかった。
田邊先生:
情報のみで採用される先生は少ない。採用が厳しいので先生を目指す学生が少ない。やる気のある学生に免許状が付与されて、現場で活躍できるのかというとそうではないということが残念。夏の研修で、国語や英語の先生が情報の免許を取れないということにしたことが、英語などと情報が混ざりにくい原因になっているのではないか。飯田先生の学校では情報に特化している先生と他教科と合わせて教えている先生とどっちが多いですか?
飯田先生:
合わせて教えている先生が多い。私は情報専任で教えているが、知り合いの先生方も他教科も受け持つ先生が多い。
田邊先生:
情報も専任になっていくべきである。ネットワークの管理をするのは先生の仕事ではないと文科省も言い出している。先生の仕事は、教えることと生徒対応すること。大阪の私学ではどのようにされているのですか?
飯田先生:
システムエンジニアを置いている学校はほとんどないと思う。手に負えなかったら業者に頼むということになっている。
田邊先生:
そういうことを声を大にして訴えていくべき。うちの学校ではネットワークの管理についてアウトソーシングに頼んでいる。しかし、費用がかかるので大変。米田先生も大変ではないですか?
米田先生:
作業分担という形が整いつつある。情報の教師は授業に専念しやすくなってきている。
田邊先生:
Post2005ということのポイントはここにあるのではないか。スキルアップということに関して、自らスキルアップを心がけているという先生や、したいと思っているが時間や場所がないという先生方が多いのではないでしょうか?校長先生の立場では教員のスキルアップは重要だと感じてらっしゃるのではないですか?
北野先生:
パソコンを使える先生は45%、小学校に授業見学に行っても、パソコンを使っている先生でもベテランの先生と共同しているところは少ない。中学校では授業に使っているところは少ない。しかし、情報化が進んでいる現在、中学校でもパソコンが教室に入るという状況になったときに使えるようになる必要があると感じている。
田邊先生:
先生同士の情報共有が出来ていないということを感じている。西田先生はどうですか?
西田先生:
情報担当の教員が非常勤なので、連絡はとれている。それを担当の教員に伝えて、無理は聞いてもらっている感じはする。
田邊先生:
他教科と共同して使うということでは、飯田先生のところに依頼はきませんか?
飯田先生:
まだまだ少ないです。情報スキルアッププログラムというものを見つけた。しかし、使用できなかった。情報科の教員になって、その学校の情報推進役になっている先生方は多いと思います。
田邊先生:
教員のスキルアップということで長けた先生のところに行って教えてもらうとその先生の負担になってしまう。他の先生方に負担をかけない方法でスキルアップする事が重要。フィンランドでは、e-learningが多い。コンテンツも細分化されている。そして、それをやってわからないことについてはリクエストに答える環境も整えられている。フィンランドという国の特色で言語学習にもe-learningも充実している。そして、その情報をEU各国に提供している。そして、フィンランドも他の国のものを利用するという情報共有がうまく行われている。日本も日本語のコンテンツだけではなく、英語のコンテンツを利用するという風潮が出てくればいいと思う。そのためにはどこにいいものがあるかという情報について、先生方が共有できるシステムが必要だと思う。
米田先生:
感想、質問などをお願いします。プール学園・小池先生、神戸国際高校・大木先生お願いします。
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