大阪私学教育情報化研究会

ICTを活用した授業・校務を研究し学校への導入を推進しています

平成24年度春の研究発表大会レポート



日 時: 3月20日(水・祝日) 13:00 - 17:00


テーマ:「スマートフォン時代の情報モラルとこれからの情報教育」

会 場: 大阪府私学教育文化会館



第一部:パネルディスカッション「スマートフォン時代の情報モラルと利活用」
司 会:米田 謙三 先生 (羽衣学園中高)

ゲスト:高橋 誠 氏(NHN-Japan(LINE の運営会社))
西 雅彦 氏(DeNA(モバゲーの運営会社))
吉岡 良平 氏(EMA モバイルコンテンツ監視機構)

 タブレット端末を配布すると校内に無線LANが必需になってくる。それに加えて情報リテ ラシーの問題も有り、セキュリティはどうするのか?生徒に買わすのか?学校が貸与する のか?などの検討課題がある。 このあたりは、教員も理解できていない部分が多いので、来ていただいた事業者の方々に 現場の声を話して、きっかけにしていただきたいと思う。 

 金沢では条例で、中学生未 満がスマートフォンををもってはいけないとされている。但し、”スマートフォン”がダメ なのであって、タブレット端末やパソコンなどは問題ないらしい。 そこで、中学校の卒業式の日には、携帯電話ショップに卒業したばかりの中学生がスマー トフォンを買いにやってくるのだという。

しかし、情報モラルやリテラシーの講義が高校できちんと行われるわけではないので、今 までにスマートフォンを使って陥る問題に触れたことがないため、初めてそこで問題を起 こすこともある。”持たさない”、ではなく”考えさせる” ことが必要ではないか? 
 スマートフォンやタブレット端末を通した”つながり依存”が急増している。Facebook や、Twitter、LINEなどインターネットを通じたコミュニケーションをすることが簡単に なった。しかし、リアルなコミュニティやコミュニケーションも必要。

人とコンタクトする時に生じるリスクをコンタクトリスクという。フィルタリングには限 界があり、それ以上は考えていかないといけない。 安易にスマートフォンに機種変更していませんか?色んなことができるからこそ、所有者 には、技術、判断、責任、自制の力を持たせないといけない。

スマートフォンを長時間触ることによって、頭痛や、肩こり、首の痛みなどの症状が発生 することがわかった。特に小さい子がテレビを見てスワイプ(ページめくりする動作)を するなど、スマートフォンシンドロームと呼ばれる現象が起きている。

 インドネシアや、シンガポールなどの生徒の情報リテラシーはすごく高い。英語圏であ り、ICTを積極的に活用しているため発揮している。日本の生徒は調べ学習は得意だが、 ディスカッションになると苦手意識がある。日本の生徒にも積極性を持たせ、活用して行 かなければならない。

一度インターネットに上げた情報は何年先も残っている。社会人になったから消えるわけ ではなく、どこかに残っている。携帯電話やスマートフォンを活用しつつ、安全に使える 子どもを育てなければならない。 そのためには見守る側が、デジタル機器に精通していないといけないし、対応もできな い。しかし、それは難しいものがあるので、今日来ていただいている方々と連携して勉強 していきたい。 


スマートフォンにおける最新フィルタリングと啓発

吉岡 良平氏(EMA モバイルコンテンツ監視機構) 

 今、日本の携帯電話会社から出ているほぼすべてがスマートフォンに移行してきている。大都市圏の店頭ではフィーチャーフォン(従来の携帯電話)が1−2台あるが、都市部を少し離れるとスマートフォンしかなく、フィーチャーフォンの入手するのは非常に困難となる。
  高校生の現状は、約5割がスマートフォンを所持していて、現在の1年生の多くがスマートフォンを所持している。契約の2年縛りなどの影響があるため、2年後までには、高校生のスマートフォン所持率は100%に近くなるだろう。
  今までの携帯電話でインターネットに繋ぐ場合は、携帯電話会社を通していた。このため、回線の途中でフィルタリングをかけることが可能だった。しかし、スマートフォンは無線LANを通してインターネットに接続することもできるため、携帯電話会社の回線を使わない通信に関しては、フィルタリングが適用されない。
 そこで、パソコンなどと同じように、スマートフォン側にフィルタリングアプリをインストールし、通信状態を常時確認するようにした。これによってWebサイトを見る場合は、フィルタリング機能をブラウザが備えたものをインストールし、それを使うことによって、フィルタリングに対応することができるようになった。さらにアプリについては、アプリの起動を制限する機能を導入するっことによって、青少年に不適切なアプリの利用制限を行うようになった。
 スマートフォンを使うにあたってプライバシーの問題もある。電話帳のデータや発着信履歴、ゲームの利用履歴やブラウザの履歴など、色々なプライバシーに関わる情報がすまーとのアプリの利用によっって取得されている。
アプリをインストールする時に、こんな情報を取得しますが良いですか?などと確認してくるようになった。きちんと同意の際に確認していないと、プライバシー情報の流出につながる。
 スマートフォンに限らず、インターネットで情報はっしんをする場合には、“〜だろう”という考え方では自分に都合のいい考え方になることが多い。
トラブルに巻き込まれないようにするためには、”〜かもしれない”と思いで考えなさいと、教えることが必要である。これによって、相手がどう受け取るか?を考えて行動するのではないかと思う。


LINEのご紹介と各種対策について

高橋 誠氏(NHN Japan(LINE の運営会社))

 LINEは、メッセージング(チャット)機能と、音声通話機能があるアプリだと思ってもらえれば良いです。

また、見ず知らずの他人からメッセージや着信はなく、”友だち登録”された人の中でしか メッセージング機能や音声通話機能を使うことはできないようになっているため、従来のSNSサイトとは枠が違うサービスだと思っていただければ良いかと思います。
また、登録には
電話番号とメールアドレスのみ取得している。利用者情報に関しては、敏感に対応しており、この他にも、自分の電話帳を使っても良いか?自分が使用している事を、電話帳に入っているLINE使用者に通知しても良いか?など、チェックボックスを用意し、利用者に確認してもらっている。

 LINEは、位置情報や写真、動画を送ることができるので、消防への通報などにも使える可能性がある。現在消防庁の検討会に呼ばれ議論している。また、他方では、実際に三重県のとある高校の防災訓練で使われた実績もある。

 


Mobageについて

西 雅彦氏(DeNA(モバゲーの運営会社))

 Mobage内の掲示板に書き込まれる内容によったトラブルが良くあるため、誹謗中傷を書いてはいけない、ネットは匿名ではない。など利用者に対して啓発活動を行なっている。

 EMAの審査、認証を受けたコミュニティサイトには、”違反通報する”というボタンが付いており、通報に対してはきちんと対応し、加えてサイト監視に多くの人員を割いている。

厳しくすればするほど、ユーザは厳しくないコミュニティサイトへ流れるため、学校等を回って注意喚起の講習を行ったりしている。

 また、課金に関するトラブルが増えている。各社共に色々な規定があるが、保護者未監督下で発生した課金は、返金などの対応をとることが可能であるため、サイト運営会社に連絡をしてもらえるとスムーズに対応できるかと思う。



第二部:調査報告「大阪私学の情報化・情報科の現状」
江守恒明先生(関西大学中高等部)・辻誠一先生(関西創価中高) 


 大阪私学高校の情報化、情報化の現状に対してアンケートを取らせて頂きました。

なぜ、これを始めたのかというと、公立の学校がタブレットを始めとして、力を入れ始めている。
私学は今どうなっているのか?今後のことを考えて行った。


アンケートに回答していただいた高等学校は、29校でした。

 

 インターネットの回線は何を使っていますか?の質問には、8割程度が光回線と回答。

すべての教室に情報コンセントは来ていますか?の質問には、3割程度がはいと回答。

これは、7割の学校が情報コンセントが全教室に届いていないということになる。公立の学校に比べて、非常に遅れているのではないかと思う。

 教員のコンピュータは6割が校務に利用されており、授業に関するものは4割程度で

あった。

ICTを使った授業をしている教員はいますか?に対して、半分以上が “わからない”と回答した。

 学校内全てに無線LAN環境の配備予定はありますか?に対して、予定なしが7割以上。

生徒一人にタブレットやPC配布予定はありますか?に対して、予定なしが8割以上。

無線LAN配備以上に、タブレット端末の生徒への配布は考えられていない状況である。


Q.なぜ、良い教育をしないといけないのですか?何のために、良い教育をするのですか?
・日本では、子どもたちの夢を叶えるために。子どもたちの将来のためにと「子どもた ち」が主語になるが、CIOの方はほとんどの人が良い納税者を育てるためだ、と答える。 これが良い循環を生み出す。

Q. 2050年はどのような社会にだと思いますか?
・日本の人口構造は逆三角形に。高齢者を支える部分が、胴上げ型→騎馬戦型→肩車型になっていっている。若い世代が生活保護を受けて、生活する社会を作らないように。低学 歴層の底上げが重要になってくる。
・M世代(ミレニアム世代)  1982年から2003年生まれ(9歳から30歳)  デジタル・ネイティブ
・M世代のコミュニケーション能力。
 IT機器の操作能力は長けている  ・「しくみ」は理解していない:モノは完成品。作ることに興味はない。
・内容は理解してない
・「空気」を読む、気になる
情報化新学習指導要領における変化 社会と情報、情報の科学にしても「問題解決」が重要なキーワード。



第3部<分科会①>

(1) 「iPad で e 授業」プロジェクトより

「ibooks author で実験手順書作り」

宮本裕美子・江守恒明先生(関西大高等部) 

40名がセミナーに参加した。平均50名くらい参加されている。

理科の先生。プロが作ったものでは無く、自分で教科書を作っている。

 生物は背景で実験が多い。動画や静止画を使用する場面が多い。

教材研究、予備実験が非常に重要で、どこで買ったらいいのか、こつがわからないなどで

止まる事が多い。うまくいって、実験やりましょうとなってもプリントでする。一番時間をとりたい部分がとれない。


豚の目の解剖について

教員向けに値段やどこで購入できるか。準備物。実験手順。

映像があるので、もっと大胆にやっても大丈夫だよ。とか手順がわかりやすい。

スケッチの方法。説明。点描がでやりなさい。映像で説明することにより、スケッチの描き方が変わる。

チャプターで確認問題も入っている。確認問題。1冊でわかる。

生徒に配って実験してみる。先生と呼ばれて手が止まってしまうが、自分たちで解決しようとする。どんどん先へ進める。

【効果】

中身の濃い授業ができる。手順などが短く、展開の時間を長く取ることが出来る。

なので、良いスケッチができる。いいものになる。

シナリオができると、そこにおいていくだけ。

無料で配布することを考えている。いろいろな教科に広がっていくとおもしろいだろう。

そのデータの良いところだけを使って、自分の授業に取り込んでいく。

(2)「英語ディジタル研究会」より

高校ディジタル教科書の現状」
米田謙三先生 羽衣学園中高

英語も新しい教科に変わる。7社がデジタル教科書へ。

小学校ではデジタル教科書だが、高校ではあまり普及してない。

電子教科書なので、見て触れる。音声も入っている。

どこを読んでいるか色が変わって、前を見ればわかるようになっている。

Flashカード的に使用することも可能。

単語をタップすれば、辞書、メモ、マーカーなどのリンクの表示。

辞書を即引くことができる。

マーカーを使用して、動詞を青、助詞を赤などに染めていく。

 それを文字を隠す事ができるので、マスク機能を使用して、穴埋め問題を作ることも可能。1枚1枚クリックして回答の確認することができる。また、その他の機能として、ワークシートや先生マークがある。ラーニングマネジメントがあり、どの生徒が入ってるかどうかがわかる。できた生徒が先生に解答を投げることが可能。それに対して先生も返答することが可能。

単語の並べ替え機能を使用した練習問題など。インタラクティブでおもしろく生徒の興味も引く。日本語訳を出す、出さないなど生徒のレベルによって変えることができる。数学などの他の教科も同じ。問題集など2次関数などもはいってる。
理科などは実験のネタが欲しい。なのでビジュアル的なものが必要である。それを自分たちでクリックすれば、見ることができる。こういったことが次入ってくる高校の電子教科書になると思います。
結局、アプリは1年経つと終わる。変わらないもの変わるモノ。っていうのがあるので、教科書はかわらないものになるので、そういったものにならないといけない。
iPadを1人1台入れてる部分は困っている。遊んでしまう。

グループに1台などにしないと。完全な学級崩壊になってしまう場合もある。

教師の弱点を補うものでなければならない。教師と生徒のFace to Faceじゃないと。

 

 


(3)「全教科でとりくむ iPad 活用:

合志智子先生(関西学院千里国際中高)

【学習スタイル】

一斉学習+個別学習+協働学習

ICTを効果的に活用。文科省の教育の情報科ビジョン。

自分・他人・学習環境・リーダーシップ・教育方針

タブレット端末をどう使うかを自分で考えさせる。

生徒をデジタル市民として期待する像。

2012年秋からスタート。

マニュアルなどを教員で作成して配布。

【支援・設備】

ETT、サポート、管理職のチームで推進している。

併設校の大阪インターナショナルスクールと協働でやっている

学内にmoodleが入っている。

教室環境。プロジェクターAppleTV、配線ボックス

・使用1ヶ月ごろからどう使ったか

英会話を生徒同士で撮影。再生しながら教員がコメントをする。

Kindleを使用して洋書文学を読ませる。

iPadで本を読む。本に記入も単語を調べることもできる。いままでの紙だと借り物なので書き込めない。

小論文:生徒はその場ですぐにWebサーチ、リサーチ結果をiPadに保存。

生物の授業では、先生が解剖
→生徒が解剖を撮影→撮影しておけば生徒がレポート書くときに確認
できる。

・感じたこと

>協働学習が良い。

お互いに学び合ったり教え会ったり、個別学習自分に合った方法ができる>学びのスタイル

(4)ミニパネル「第一部の質疑応答」

司会:米田謙三先生
高橋 誠氏、西 雅彦氏、吉岡 良平氏 

Q:ゲーム会社はどんなことを考えているのか

A:ソーシャルゲー。5分を数回楽しんで1日。それが複数だと時間を取る。自宅ゲームで1日中やるものでは無い。はまると大変な部分もあるので時間とお金の話を学校へ行って話している。(DeNA)

A:ゲームに限らず、依存はある。本でもある。何をするにしても時間との兼ね合い。長時間すると身体、健康面のバランスがある。もう一つが仕組みでできないか。夜中になるとネットが繋がらない。という制限もある。ただ日本は憲法上無理。docomoなどは夜中繋がらないようにするなどの設定がある。(EMA)

Q:タブレット端末のフィルタリングについて

A:まだ議論中。タブレットは3種類。ブラウザのフィルタリングであればできる。アプリに関しては無い。これから議論をしていかないと行けない。携帯電話に関してはフィルタリングだが、コンピュータには無い。これは親御さんが考えないといけない。(EMA)

Q:LINEで繋がる人は決めれるのか。ブロックできるかFacebookみたいに知り合いが出てるのか
A:友達のリストと知り合いかものリストがある。知り合いかも。の中に入っている。友達になるかブロックするかの選択ができる。なにも選ばれなければ放置。ただ友達として相手がメッセージを送ってくる場合がある。友達・ブロック・通報とボタンがあり、通報すれば確認する。ブロックすれば相手からの連絡は来ない。通話に関しては友達同士のみ。

Q :SNSの使い方

A :基本的にはSNSから子どもが行動などが最近変わってないか。SNSで親子で友達になればわかりやすい。SNSを親子が使うことによってやってみて。わからなければ子どもに聞く。聞けばコミュニケーションや子どもの使い方もわかる。これからもっと増えていくから、子どもがどんな使い方をしてるかを親が理解することができる。(EMA)

A:7割は無料で使っている。青少年は5%未満。ゲームは課金したい。課金しているのは30代のサラリーマンが一番多い。(DeNA)

Q :職員関係・子どもに対してのプログラムはあるが、保護者に対してはあるのか

A:保護者向けにあります。(DeNA)

A:保護者会向けにもある。LINEの説明なども何度かあります。(NHN)



第3部<分科会②>「情報科」

(1)「高校生熟議」より
「話し合いによる情報モラルの授業」 岡本弘之先生(聖母被昇天学院中高)

これは授業に使えるのではないか?と考え、情報教育は話し合って出来ないものかと考えた。社会と情報の中に 情報発信の注意点、問題点が入っている。今までも話し合いの授業をしてきたので、経験をうまく生かして授業をしていきたいと考えた。

例えば、”こんな風に使ってはいけない”といった、否定的意見ではなく、”こう使ってみたらいいのではないか?”といった肯定的意見で授業進行できるといいと考えた。

 

生徒には、幾つかの画面を今から見せるので、気になったことを配布したワークシートに記入しなさい。と言い、便利な部分を見せて授業進行を行った。

ブログやSNSを使ったことがない生徒に対しての、知識補完を行って、ブログやSNSはどのような部分が利点なのか、どのようなことに注意しなければならないのか。を、生徒に考えさせた。


また、知っていることだけでは新しい学びはないと考え、自分たちが知ってること以外にインターネットなどを使って新しい知識を探し、出てきた意見を付箋に記入させ、KJ法を用いて共有、整理させ、1分ずつグループ発表させた。

 

その中で実際に出た利点として、自分の意見を発信できたり、同じ趣味を持った人たちと情報交換が出来たりするといった事が挙げられた。

対して、注意する点として、個人情報が漏れるのではないか?であったり、なりすましがあるのではないか?などの意見が挙げられた。


そこで、積極的に新しいツールを使おうということで、自分たちの学校を注目させるためにはどうしたらよいか?を話しあわせた。

実際に授業を行った時に生徒から出たまとめとして、SNSの注意事項を始めてみた、であったり、カメラの位置情報に気をつけてください。であったり、注意点さえ守ればコミュニケーションが広がる、などの意見がでた。

 

 

(2)「楽市楽座」プロジェクトより
「情報の科学」での Arduino 活用授業 竹中章勝先生  清教学園中高

情報の科学は情報を端的に理解しなければならない。そこで、Arduinoを使って、具体的な授業をしてみた。女の子のほうが 積極的に授業参加することが多い。プログラミングはすごく難しいと思われているが、コンピュータを使っている生徒は少ないが、その中でC言語の入り口まで行くことが可能であった。

 

タイル型のコマンドで、プロジェクトを作っていくことができる。当然、プログラムを作ればプログラム通りに動かすことができる。次にラインから外れたら曲げるというプログラムを書かせて、ライントレースを教えた。

 

次に物理的なプログラミングを教えた。

こちらもタイルでビジュアルでプログラミングが出来る。図を示して説明すると、子どもたちはすぐ理解する。カーペットの上で走らせ、90度転換を4回させた。当然、 タイヤがすべり、元の位置に戻ってこない。そこで、なんで元に戻ってこないのだろうか?と考えさせる。ここで、タイヤが滑っている!と気づかせることが重要。

では、社会と情報のほうが簡単か?

情報って仕組みで動いている。仕組みを知らずに教えるか?それとも仕組みを教えるか? 技術的なのは要らないのか?

最近ビッグデータや地図…いろんなことが流行ってきている。文字だけの検索だけでは商売にならない時代ではないか?少なくとも ”地図”が必要。これは、GISと呼ばれる。基本的に地図は著作権の塊であるが、 Open Street Mapは、著作権フリーで、みんなで作りましょう。という趣旨のものである。


OpenStreetMapは誰でも情報を追記できる。そこで、自分で書いたものを消されたら困るよね? 自分でMapを作って消されたらむかつくよね。といったところから、著作権の話ができる。“お金が発生していないからいいや”ではなく、”著作権”という権利を教える必要がある。それに加えて、バラバラな情報の管理として、こうしたらまとめれるよね、こうしたら使いやすいよね。などからデータベースなどの話とつなげることもできるのではないか?


(3)「LICT研究会」より
 「パズルを活用した論理的思考力養成」 松本宗久先生(大阪学院大学高校)

新年度から学習指導要領が変わり、教科「情報」では、「情報の科学」と「社会と情報」になる。

新学習指導要領で必要とされる、論理的に考えれる力をつけよう、思考を言語で表現しようということで、授業実践をしてみた。

 

そこでBITSPUZZLEというパズルを用いて、ワークブックを株式会社BITSPUZZLEとLICT研究会で、制作した。これらを状況に応じて電子黒板を用いて実践した。

2011年度からこのプロジェクトは始まっていて、羽衣学園で行った実践では、ワークショップコレクションでの成果を応用し、実践を行った。アプリでは簡単だが、紙で書いて実践すると苦戦していることが多い事がわかった。

 

大阪学院大学高校で行った実践では、ワークブックのみで授業を行った。結果をOHCに写し、どうしてこうなったのか?など生徒に考えさせる授業を行った。また、4人1組でグループ学習形式で問題を考えさせる授業も同時に行った。

 

「本当に問題解決能力が上がっているのか?」「データマイニングが出来てくると違った視点で検討できるのではないか?」「国語や数学との連携はできないのか?」などが今後の課題。

 

 

(4)「日常の授業での電子黒板活用」

辻 誠一先生(関西創価中高) 

普通教室が昨年秋に大きく変わり、単焦点のプロジェクターを天吊にし、白板の右側に出せるようになった。

白板は反射を少なくするために 表面が凹凸になっており、プロジェクターの光が反射しにくいようになっている。

電子黒板の肝として、電子ペンがあげられる。一本1万円くらいで、単三電池2本で動作するようになっており、マウス代わりとなって作業することができる。
この他にも電子ペン専用のソフトが有り、自由自在に色や太さを設定し、文字やイラストを書くことができる。

 

スライド授業は、どうしても教員がしゃべるだけで進むことが多い。そこで、文字だけを表示させ、重要なポイントなどは、線を引いたり 強調したりするなどの対応をとって、生徒に合わせた時間の配分を行なっている。白板との連携をしているため、重要なことは白板に追加記載するなどして残しておくことができる。

 

iPadやiPhoneから、写真をプロジェクターに無線で投影することが出来、次にどんな写真がくるのかを生徒に想像させながら授業を展開することも可能。当然 iPadに書いた文字もプロジェクター側に反映されるため、教壇から離れたところから強調や追加記載することもできる。

 


(5)「来年度からの情報科授業に向けて」

司会:竹中章勝先生  清教学園中高

四人の発表があったが、情報科、情報化問わず議論をして行きたいと思う。

Q:スライドで授業しない理由は?
A:スライドだと、アドリブが聞かない、段取りが狂うから。

Q:なぜノートに書かせる?
A:書くと理解力が深まるから

Q:それはなぜ?
A:一つ手間を増やすことによって 認識付が増える。

Q:ハンドアウトつかってるひとはなぜハンドアウトを使うのですか?
A:集中的に教えたいから

Q:そこで板書は、問題解決として書くのか、記憶するために書くのか?
A:ハイレベルだからできるけど、見出しがないと 余計なんのことかわからないのでは?
A:清教学園は賢い人が集まっているからこれでも良いかもしれないが、多くの学校では厳しいのではないか?今日はこういうテーマでって言わないと、なかなか理解してくれないところがある。

当然最初から全部は書けない。 最初の方は、今日やったことをまとめましょう、感想を書きましょう。というところまでしか、できなかった。生徒は、黒板に書くと書く。書くことによって、自分のイメージや考えを書き出せると考えるから。






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