第64回公開授業

社会科 「海外旅行の企画を売り込もう」
研究授業
意見交換会
平成21年3月14日(土)

同志社香里中学校 
授業者: 藤井 宏樹 先生(社会科)



研究授業  

 

テーマ
「海外旅行の企画を売り込もう」

11:00
 会社のロゴマークコンテスト
 各クラスで作られた会社のロゴマークを順番に提示
 生徒たちはいいと思ったロゴを5つ選び、10万円を割り振る

11:20
 各クラス代表チームの発表


 1組代表8班   「100年前のイギリスの舞台へようこそ!」
 

イギリスといえば・・・
紅茶、ビッグベン、シャーロックホームズなどがあります。
今回は
 ・イギリスの名所を見る
 ・ホームズゆかりの場所へ行く
 ・おいしい料理を楽しむ
をテーマにしたツアーを提案します。
ホームズを知らないあなたも大丈夫!
ホームズとロンドンの雰囲気を楽しんだら、芸術を楽しみましょう。
イタリアやフランスだけではなく、イギリスも芸術の国です。
絵本ではピーターラビット、作者が暮らしていた家へも行きます。
建築物も必見です。
教会の展望台から見る景色はすばらしいです。
ではここでおみやげBEST3の発表です。
 第3位:カレースパイス
  インドやスリランカのいみんが多いイギリスでは本格的な味が楽しめます。
 第2位:キーホルダー・ピンバッチ・マグネット
  国旗やバスをかたどった定番のお土産です。
 第1位:紅茶
  日本に戻ってもイギリス気分を楽しみましょう。
他にもお酒やトランプ、切手なども人気です。
こんなに盛りだくさんで大丈夫?
ちゃんと回れるの?と思われるかもしれません。
移動手段は2階建てバスや地下鉄でまわります。
料理はすべて5つ星ホテルです。
風景を楽しむ時間もちゃんと用意しています。
お値段は9日間で398000円。
最後にこのツアーのポイントは、ホームズの小説を読むこと
カメラを持っていくこと です!

   
2組代表1班   「世界遺産をたずねて」
 


情熱の国スペイン
外国の世界遺産を紹介するツアーです。
中でもスペインには39箇所もの世界遺産があります。
このツアーではスペインの世界遺産13箇所をまわります。
いくつか紹介します。

アルハンブラ宮殿
  グラナダ地方にあり、20もの塔に囲まれています。
  ここへ行けば王様気分が味わえます。
サグラダファミリア
  アントニオ・ガウディが作り始めた教会。
  今も建造中なので、その姿は見た瞬間だけのものです。
トレド
  かつてのスペインの中心都市です。
  落ち着いた雰囲気が旅人の疲れを癒してくれます。
そのほかにも
メスキータ、ユダヤ人街などにも行きます。
世界遺産だけではなく、本場のフラメンコを見ることもできます。
フラメンコは踊りではなく、歌がメインです。
闘牛も見ることができます。
写真や映像だけではなく、生で見れるのはすごいと思いませんか?
次に紹介するのはパラドールです。
中世のお城や修道院を改修したホテルです。
このツアーでもパラドールを利用します。
スペインの料理も楽しめます。
バイキングのようなタパス、ガスパチョやパエリアも楽しめます。
お土産はビヤドロ人形(?)やワインが有名です。
革製品も有名で、質がよく安いです。
この経済不況の世の中ですが、情熱の国スペインで
リフレッシュしませんか?

   
3組代表8班   「アジアンリゾート、ブルネイ」
 


日本での知名度は低いですが、みなさんにブルネイを知ってもらいたいと思います。
心が癒される旅をテーマにツアーを考えました。
残念ながら直行便がありませんので、マレーシア経由で向かいます。
マレーシアでも観光し、ブルネイを訪ねたあと、再びマレーシアに立ち寄って帰国する旅になります。

ブルネイは三重県ほどの小さな国です。
石油などの天然資源に支えられた豊かな国です。
世界最大級の水上集落があり、水上に全ての施設があります。
続いて、最近人気のテュンブロオン国立公園です。
熱帯雨林の自然を満喫してください。

続いて紹介するのはブルネイを象徴するオールドモスクです。
ブルネイの国教はイスラム教です。
世界中から集められた素材で作られています。
仕事の合間に人が集い、信仰心を感じられます。
日本にはない、心の温かさがブルネイにはあります。
興味がでてきた人は、ぜひインターネットなどで調べてみてください。

   
4組代表5班   「ハリーポッターと駆け抜けるファンタジーの旅」
 


イギリスは美しい景色が有名で、映画ハリーポッターのロケ地としても有名な場所をめぐります。
映画と同じように、キングス・クロス駅からハリーと共に出発しましょう。

ロンドン動物園
  爬虫類館でのシーンが印象的です。
グロスター大聖堂
  彫刻やステンドグラスは世界的にも有名です。
  ハリーのように歩いて気分を味わいましょう。
ゴースランド駅
  ホグズミード駅として映画にも登場しました。
  蒸気機関車に乗って気分も高まります。
クライストチャーチ
  オクスフォード大学最大のカレッジです。
  朝食などを食べているシーンで使われました。
ニコルソンズ・カフェ
  作者が「賢者の石」を執筆したカフェです。
  今は中華料理屋さんになっています。
グレンフィナン
  映画のように車が飛んでくるかも?
  10日間でこれらのロケ地をまわるので「駆け抜ける」旅になりました。

続いて一生もののお土産を紹介します。
ハリーの顔が中に描かれているマグカップや、映画でも使われたチェスの縮小版があります。
しかし何といっても、映画の登場人物が使っていた魔法の杖がおすすめです。
ぜひすべて購入して、日本へ持って帰りましょう。
気になるお値段は600000です。
少々お高いですがハリーポッターを知らない方でも楽しめるプランです。

   
5組代表3班   「夢の国バヌアツ共和国へ」
 


私たちが紹介するのは地球を見直すエコツアーです。
行き先のバヌアツについて紹介します。
オーストラリアの東にあり、昔ながらの文化を伝える国です。
自給自足の生活を営む人々が暮らしています。
温暖化や環境破壊が言われる今だからこそ、自然の大切さを理解しましょう。

ポールズロック
   さまざまな種類のさんご礁や海がめに遭遇できます。
ヤスール火山
   世界でもっとも火口に近づける活火山として有名です。
   迫力満点、夕暮れ時がもっとも美しく見れます。
ブルーホール
   紺色の絵の具を溶かしたような色なのでブルーホールと呼ばれます。
   21メートルの水深にも関わらず、底まで見えます。
セントジョセフ大聖堂
   カトリックの総本山ともいえる建物です。

絶景ベスト3
 第3位:セントジョセフ大聖堂
   空と建物の愛称は抜群です。
 第2位:バヌアツの夕日
 第1位:海上レストラン
   水平線と白い建物を楽しめます。
   安い値段でたっぷりの料理が食べられます。

ホテルはザメラネシアンポートビラ。
3つ星なのにリーズナブルです。
特産物はありませんが、カヴァという飲み物があります。
コショウ科の植物を水で溶かしたもので、苦いです。
お土産を買って、絶景をみて、ホテルに泊まって370000円です。
このツアーで自然の大切さを知ってもらえれば、
地球もきれいになっていくと思います。

   
6組2班   「ニーハオ、台湾!」
 


関空から2時間足らずで、大満足をお届けします。
1週間で、子どもからお年寄りまで楽しめるツアーを紹介します。

カレン
広東料理に舌鼓を打ってもらいます。
素材の持ち味を生かしたあっさりの味付けは日本人によく合います。
アミ文化村で伝統の踊りを見学します。
太魯閣峡谷周遊観光です。
高雄で豪華ホテルに宿泊します。
続いて台湾新幹線で縦断の旅へ。
台北円山大飯店に宿泊します。
メイン観光の故宮博物館は世界にも有名で戦乱を逃れた中国の秘宝を見ることができます。
忠烈嗣で閲兵を見学できます。
お茶や小龍包もおすすめ。
デラックスなホテルや観光を楽しんだ後、日本へ帰国します。
ぜひわが社のツアーをお選びください!

   

藤井先生
 みなさんの作品をたくさんの方に見ていただいて、
 ロゴマークと発表だけではなく、CMの絵コンテの評価もしてもらいました。
 結果発表とアドバイスをもらいたいと思います。
 有限会社カヤの平井さんです。

平井さん
 CMだけでなく、PRに関する映像を作っています。
 みなさんの作品を、私とプランナーとディレクターやクライアント計6名で評価させてもらいました。
 ばらばらになったのですが、優秀作を3つと特別賞を1つ選びました。
 自分たちで企画した旅行先がいかにいいかということを発表してもらいましたがCMは15秒でまとめなければなりません。
 いきなり見せても伝わらないので、仕掛けが必要になると思われます。
 ほとんどのグループがいきなり見せていました。
 その中で、ちゃんと仕掛けをしていたCMを選ばせてもらいました。

特別賞 その1  FRIENDS 「いざ、地球温暖化の旅へ」 13461800円で作らせてもらいます。
特別賞 その2  TRIP   「作品名空欄」  どういう意図で作ったかよくわからないが、髭男爵風のCM。ヒューマンな作品。19761500円で作らせてもらいます。

第3位  SEAGIRLS  旅行CM  1カット目から3カット目までの展開が面白かった。
     環境に優しくない主人公が目覚めてエコツアーに行くという展開。製作には23380500円掛かります。

第2位  KITOS  伝えたい言葉  考え方が素晴らしい。
     ディレクターが実際に作ってみたいといっていました。製作には28929000円掛かります。

第1位  会社名空欄  イースター島から…
   BGMには普通流行の歌が書いてあるのですが、この絵コンテには「パフパフ」とだけ書いてある。
   見ただけでいろんな想像が膨らむ作品として好評価。 だいたい34408000円で作れます。

では第1位の方に登壇してもらいます。
表彰状の代わりに見積もりをお渡しします。

作成者
これは社長が考えたことなのですが、
いろいろなモアイ像を描いたらイースター島のことがわかるかと思って描きました。

平井さん
CMに求められるのは、15秒という短い時間でインパクトを与えられるかだと思います。
一言で言うと感動です。
いろんな感動の積み重ねで生まれるものです。
今度今回のような機会があったら
自分で構成を考えてみてください。

藤井先生
本日特別審査員として発表を評価してもらっています。
帝国書院の宮村さんです。

宮村さん
審査員をさせていただきまして、これで3回目です。
毎年お昼ご飯の前にグルメの話を聞いて、よだれを流しながら聞いていました。
今年はとても完成度が高かったです。
ちなみに私がいってみたかったのは台湾です。
今年初めて帝国書院賞を設定しました。
歴史が書いている地図帳です。
当たった方はこれで勉強してください。

藤井先生
もう一人旅行会社のJTBから田中さんに来ていただきました。

田中さん
私はここの卒業生でして、何回か審査をさせてもらっています。
自分でも難しいのに、毎年すごいなあと思っています。
今回のプレゼンの中でいいなと思ったのは、ハリーポッターの班です。
非常に具体化されていてわかりやすかったです。
もう一つはあえて台湾を選んだ班です。
南から北へ上がっていくルートはとても魅力的でデータが欲しいくらいです。
JTBとしても商品を用意していまして、スタッフジャンパーを持ってきました。
どこでも着ていただきたいと思います。
他にもレジャーシートなども持ってきています。
今日はありがとうございました。

藤井先生
他にも学研さんが来られる予定だったのですが、急遽無理になったので商品だけいただいています。
どの班がもらえるかはみなさんの評価と、おおさか私学ネットという研究会から他の学校の先生にも評価してもらいます。
保護者の方にも評価してもらいますので、書いておいてください。

では改めて夏休みからやってきた海外旅行の企画を売り込む活動はおしまいです。ありがとうございました。


授業風景  海外旅行の企画を売り込もう   担当:藤井 宏樹 先生
講堂から見た広々とした中庭風景 中学1年生全員参加による発表会の講堂

藤井先生から発表前の説明 1組8班「100年前のイギリスの舞台へようこそ!」の発表

6組2班「ニーハオ、台湾」の発表 映像製作者の平井さんがCM作品の審査ポイント・結果を公表
旅行CM(5コマ絵コンテ)の第1位「イースター島から−−」の紹介  
 
   
意見交換会
藤井先生が「海外旅行の企画を売り込もう」の趣旨、経緯等を説明 昼食を遅らせて活発な意見交換会
絵コンテ作品の一部 同志社香里中高校の正面ロータリーとレンガ色校舎
   

村上先生
今日は予定を変更して昼食をとらずに始めさせていただきます。
では授業を実施された先生から授業の狙いを説明していただきます。

藤井先生
大学のゼミ等で発表した時のレジュメを配布させていただきました。
3年前に実施した時のものをまとめたものです。
基本的には起業家教育というものをやっていまして、ビジネスアイデアを考えることから始めたのですが、自分達が考えたものを形にするということ、最終的には社会に返すということを念頭においてやってきました。
環境問題を解決するというテーマで環境破壊であるとか、ごみの問題などを考えるということに取り組んできました。
中学の地理を教えることになり、プロジェクト学習を活用したい。
教員になってすぐのときも宿題で「海外旅行の企画を立てよう」ということをやっていました。
それをプロジェクト型にアレンジしなおしたものが今回のものです。
宿題としてインプットしたものをどのようにアウトプットするか。
発表したものをみてよかったね、だけでお仕舞にするのではなく、競争原理を導入しました。
クラスでの予選では全員発表しましたが、順位をつけて本戦に臨みました。
自分達が考えたいろんな表現を、みなさんに評価してもらい、自分でも評価するというのが大まかな狙いです。
社会科の授業なので、国や文化について調べるというのもあるのですが、プロジェクト型にしている理由は以上のようなものです。

村上先生
プロジェクト型学習をわかりやすくいうとどんなものでしょう?

藤井先生
今回は旅行会社というチームを組んでプロジェクトを行うというものです。
テーマは海外旅行を売り込む、ということです。
社会に対してアクションを起こす、というところまでいくのがプロジェクト型学習です。
学校の中だけで完結するのではなく、外に向かって発信する、そして社会を変えることを目標にしている、という風に私はとらえています。

村上先生
全体の流れを紹介していただけますか?

藤井先生
学習活動の流れとしてまとめていますが、1学期の終わりに宿題としてイントロダクションを行いました。
その後旅行企画書、ポスターの作成を行いました。
他の人がみてわかりやすく仕上げるよう指導しました。
まずメインテーマを決めなさい、そしてキャッチフレーズを決めなさい、そしてその説明を書かせました。
メインの国は基本1つなのですが、しっかりと調べる国を決めて作業しなさい、と指示しました。
しかし、行きたい国を選ぶところからまず生徒は悩んでいます。
両親の新婚旅行の国だから選んだ、とかシャーロックホームズが好きだったり、ハリーポッターが好きだったりでイギリスを選んだ生徒もいます。
旅行企画の場合は個人に選ばせるので国が偏り、構造や背景、社会問題について学べないとの指摘がありましたが、歴史なども調べるよう指示しています。
生徒たち主体の学習なので、ばらつきはありますが、自分が選んでいるので、教科書に載っているようなことは調べています。それ以上のことを調べているのがほとんどです。
旅程表には、すでに時差について学んでいるので計算させています。
観光案内は5箇所以上ということですが、はまればはまるほどいろんなところを調べてきます。
ありきたりのものばかりではお客さんは選んでくれないよね、でも王道は押さえておかないとマニアしか来ないよね…と揺さぶっています。
みやげ物や食事もこだわっている部分で、家族や知人に持って帰ると喜ばれる、相手の顔を想定して選ぶように指導しています。
特産品を調べなさい、ということではありません。
「誰が」というところを大事にしています。
為替レートも換算させています。
外国のお金と日本のお金が違う、ということに気づいてもらいたいです。
売り出し価格も調べさせています。
パックツアーと自分達が合算したものを足していくと値段が明らかに違う。
そこに気づいてもらいたいと思ってやらせています。
旅行会社のツアーと比べての驚きが大事だと思っています。
消費者として、値段が決まるからくりに気づいてもらいたいと思います。
パンフレットとポスターを宿題として2学期に提出させ、お互いに評価・コメントを書かせて、3人に評価してもらった用紙をもらいます。
その後、自分が評価した時と同じ評価基準で自分の作品を評価しなさい、と指示します。
やっぱり自己評価と客観的な評価は違うので、一回他人のものを評価した後自己評価させます。
もちろん平常点はこちらで別に点数化しています。
次は1分間プレゼンです。
ポスターをもって、内容を売り込みなさいというのをやります。
400字詰め1枚の発表をクラス予選として5名選び、文化祭にクラス代表が発表します。
グループを作るときは代表5名は社長になります。
それ以外は社長になりたい人がなろう、という風に指示します。
1チーム5名なので、25名の「就職先」はあるが、それ以外のメンバーは「就職浪人」として扱うことで、社会のしくみを考えさせます。
そこで社長になりたい人は求人票を、雇われたい人はエントリーシートを書かせます。
その後面接タイムをやります。
最初から仲良しグループでやるのではなく、自分は何ができるのか、他の人に何を求めるのか、ということを考えさせたい
ちゃんと人から評価されるものを持っているのかどうか、というところに視点を持たせたいと思っています。
キャリア教育の面もあります。
人に評価してもらうということはどういうことか、というのを体験してもらいたい。
グループは5人までにするよう最後まで指導します。
企画は社長が持っているプランを出すということにしています。
グループはCMの絵コンテ、ロゴマーク、プレゼンを作らないといけませんので、それぞれの責任者を決めて、社長は全ての仕事に気を配って期限までに仕上がるように、ということを指導しています。
関係者のインタビューは今年はできませんでした。
作ったものを見せて聞いてみなさいという活動なのですが、やれませんでした。
海外の留学生とのワークショップもできませんでした。
そしてプレゼン大会になります。
お互いの評価、要は給料なのですが、今までの自分の仕事を評価させます。
感想も資料にしていますのでまたご覧ください。

村上先生
学校関係者と企業関係者の方がいらっしゃるので、所属とお名前を言っていただいて一言感想などお願いします。

平井さん
いつも呼んでいただいて、授業をしたりもしました。
実際に映像制作の授業をさせて欲しいとお願いしています。

奥田先生
研究会顧問の奥田です。
今はチーム学習を中高でもやってみようということをテーマにしていますが実際にみることができて参考になりました。
さまざまな年齢で実践されているようですが、内容に違いはありますか?

藤井先生
かつてやってきた事例をまとめましたが、今やっていないものもあります。
「会社を作ろう」は公民分野でやっています。

奥田先生
社会科の内容を総合的に鍛えていく趣旨なんですね。
個人で作る場合と、チームで作業させる時の工夫はありますか?

藤井先生
最初からグループにすると何もしない生徒がいますので、まず個人でしっかり作らせるようにします。
最近教科書も調べ学習が主流になっていますのでそれを個人で行う。
グループの中ではなかなか軋轢があるようで、発表の時もありましたが、チームにすると中身も濃くなりますが、人間教育的な部分もありますし、1人では苦手な部分も、チームなら他のメンバーにやってもらって、自分は得意なことで貢献するのが大事だと思います。
友達でもすごいなぁ、というところを発見できます。
能力を発揮したり、仲良くなったりできるので、教科の意義とは違いますがいいところだと思います。

奥田先生
普通の授業との違いをどのようにとらえていますか?
準備や手間などが余計に掛かると思うのですが。

藤井先生
そのままでも勉強する子は知識を与えていけばいいのですが、苦手と思っている生徒はプロジェクト型のほうがいいと思います。
教科書で取り上げている国でやってしまうと、似たり寄ったりになってしまう。
調べたり、体験して学ぶということや、自分が選んだ、ということに対する興味は別です。
ただ、テストには出題できないですね。

奥田先生
中1で自らやっていく姿勢があれば、こういう形の授業を増やした方がいいと思います。
チーム学習が増えていくことが理想です。
社会ではできますが、数学などでできるかというと話は違いますが。
ぜひまねしたいと思います。

田中先生
上宮の田中と申します。
大学院を出た後旅行会社に勤務したこともあるので興味を持って見させてもらいました。
中学なので社会という授業ですよね。
授業とプレゼンの準備の比重はどんなものでしょうか?

藤井先生
4回は発表の準備です。
それ以外は普通の授業です。
グループにして行ったのは3学期に入ってからです。
2学期の最後にグループを作って休みの間に作業させておきました。
空いたときにコンピュータ教室を使わせてもらったりしましたが、授業以外では放課後にやっていました。
クラスごとに希望者を募ってやってきました。

田中先生
パワーポイントのスキルは?

村上先生
連係プレイで教えています。
そんなに難しいことは教えていません。

奥田先生
以前に比べて生徒のスキルはどうですか?

藤井先生
スキルは変わっていないと思いますが、今までの優秀作を見せているので、その分が違うと思います。
授業でやっているのは2時間ですが、興味がある子はどんどんやっていくので、出来栄えがよくなっていると思います。

田中先生
プレゼンというより発表という感じがしたのですが、プレゼンのスキルを教えましたか?

村上先生
私の授業でも発表させたのですが、そのとき基本的な部分は紹介しました。

田中先生
プラカードの使用などは?

村上先生
教えてないです。

藤井先生
お客さんの心を掴まなければならないので、今までの作品を紹介しました。
クラス予選ではいろいろやっているのですが、生徒の評価は意外とシビアで、ちゃんとまとまっているものが本戦に上がってきます。
漫才のような発表をしているグループもあるのですが…。
プラカードを使った班は最初からそうでしたね。
後から自分で気づいたほうが学びになると思います。
教師が教えるよりも、同級生がやっていることを見たほうが力になると思います。
ヒントは与えますが、教えるということはしません。
解説も特にしません。
それでも、感想にはいろいろ書いているので気づいているんだと思います。

宮村さ
帝国書院の宮村です。
調べ学習は下手にすると盛り下がるので敬遠されているのですが、盛り上がるいい例を見せてもらったと思います。
実際に売り込め、とか情報機器を使え、となると生徒が生き生きとして取り組んでいました。
指導要領が変わって調べ学習がほとんどなくなるのですが、路線は継承されるのでしょうか?
それと日本の地理はどのようにされていますか?

藤井先生
もちろん続けていきます。
言葉と体験を重視してやっていきます。
日本地理は担当教員が別なので、従来の授業が多いです。
ですが、フィールドワークを行いますので体験型学習はあります。
プロジェクト学習にはなっていないと思います。
歴史分野はかなり難しいと思います。
歴史を担当したらどうしようか思案しています。

・チームのつくり方は、個人作成のポスターやロゴ、CM絵コンテ等の総合評価で上位5人と他に自主的に社長をやりたい人で社長を決め、その後4−5人のグループ/チームを組ませる。トラブル場合もあるがガタガタするが最後は治まる。

・作品のスキルや指導はどの程度されているのか?殆んどせず、先輩の良い作品を見せたり、聞きに来た時にヒントや操作法をアドバイスする。

・来年度、動画を教材に考えているが、撮影の技術等は専門家に指導してもらえるか?(かやの平井さんはプロデューサーで、その場合は専門家に依頼)

・シチズンシップ(市民教育)とチーム学習(プロジェクト学習)に興味を持っているが、取り入れられているか?社会科では公民的な資質の育成が基本であり、以前から企業教育→キャリア教育、シチズンシップ教育を入れている。歴史には体験的学習は入れ難い。

・6年教育についてのプログラムは有りますか?まだ確立していないが、体験的学習やシュミレーション、ゲームなどを取り入れている。

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