■第50回 「情報」関連の授業公開キャラバンを迎えて
大阪信愛女学院短大 長尾 尚
「情報」関連の授業公開キャラバンが始まって5年半経過しました。その間50回(実は,番外編もあったのですが,)にも上る他校での授業を参観し,終了後には,自由に意見の交換を行い,更に懇親会でも学校や授業にまつわる情報交換を重ねてきました。参加者数は,延べ1200人を超えています。
2003年の教科「情報」開始を控えて,2001年9月からこの企画に取り組み始めました。当初は,担当予定教員の授業に対する不安の解消につなげたいと考えていました。4年が経過した現在,過去の漠然とした不安感は,ある程度まで取り払えたと感じています。しかし情報科の設置目的である「情報活用の実践力を育てる」ような授業になっているのかという疑問は残ったままです。現在は,様々な教科でどのような授業改善が可能なのか,といったテーマに切り替わってきています。
教育問題が国民的な課題として取り上げられていますが,教師の多忙化は,深刻です。多忙化しすぎて同僚の先生とゆっくり話ができない状態
は,どこの学校にもあてはまります。そんな中で,お互いに胸襟を開き授業実践への取組み方法や,新たな学校改革の手立てといったことに関する情報を共有・交換・創造することが,どうも教師の明日の元気につながっているようです。
本来,校内でこのような授業研究が,継続的にしかも自由な雰囲気の中で実践できればよいのでしょうが,残念ながらそれが期待できないことは
現場の先生方であれば,おわかりだと思います。学校外だからこそ,フェアに意見を交換できる場ができあがっています。
当初は,情報科の先生が中心でしたが,授業を情報「化」したい教師の参加が増えてきています。国語や社会,英語といった他教科での情報機器利用こそが求められており,それを実践していく過程で新しい授業観が育ってくるのではないかと感じています。
50回を迎えた機会に,このインターネットやPC,ケータイに代表される知識基盤社会において,どのような学びが求められているのかを今一度
問い直す時期にきているようです。来年度も継続予定です。是非一度,ご参加頂き多様なネットワークを増やして下さい。ご参加をお待ちしております。 |