野口先生:
本日は企業と学校の融合についての授業を見ていただいてありがとうございます。
アイルはコンピュータ事業、教育事業、人材ビジネス(富士通との共同)を行っています。
企業と学校の融合(時代が求める「学校」への役割とは?)について、プレゼンテーション。
- 自立型人間の育成。情報教育、キャリア教育の必要性。
- 情報教育(活用能力をつける)において、今までは情報教育が各教科と並列関係にあると考えられてきた。
- 各教科でIT技術を活用しようとしたとき教員にかかってくる負担が大きなものになってしまっている。
- そこで、各教科でどのように情報教育を活用するか、イメージすることで各教科の独自性を出させる。情報情報ベースの実習を底辺に置き、各教科のIT技術の活用と教員の情報授業への参加が必要。
- 大阪女学院の場合、1年生でWord・PowerPiont・Excelの学習を行い、制作発表として、自己紹介のプレゼンをさせ、2年生でHTML、Dreamweaver・FireworksによるHP作成を学習し、グループでテーマを与え実際にHPを作成し、女学院のHPにアップするという目標を設定、イメージ化することで取り組んでいる。
- 通常、学校からのお話で、金額の見積もりや、どういう授業をしてくれるのか といった話が多い。カリキュラムやパソコン環境など、色々な面での調整が必要で、何よりも、まず、どういう授業をしたいのかを考えてもらって、それに対応するようにしている。
- 今回の女学院での情報教育は、アイルと女学院が共に考え、共に作っているからこその成功であるといえる。
- 新しい動きとして、学校にも二極化の動きがある。ひとつは旧体質にとらわれ、環境に合わせた動きがとれない場合。もうひとつは、社会動向を敏感にキャッチし、即カリキュラムに反映させ、生徒確保・信頼確保につなげている場合がある。これは、5年後、10年後に開きがでてくることが考えられる。
- 企業から見たここがおかしい学校の考え方として、授業の丸投げがある。お金を払うんだから全部企業がやって欲しいという考え方や何を教えていくか、よりも、授業をしなくてはいけなくなったから、とりあえず形だけという学校もある。
- 生徒の活用力を高めることが第一。
- また、企業に委託する場合、教員免許を持っている人は、いないに等しい。特別非常勤講師は教員免許がなくてもよい。
- これから、生徒が社会で生きていく力、自立型人間を育成していくこと(キャリア教育)が必要。
- バブル崩壊後、企業のスリム化が行われ、学校との間にも溝ができている。
- ニートと呼ばれる人が52万人にもおよぶ。
- 自分にとってどう生きていきたいか、長期的な展望で見ていくことが、生きる力につながる。
- 教員へ求められていることとして、成長段階に応じたキャリア教育、例えば小学校には小学校でしか養えない職業観があり、中学校では中学校でしか養えない職業観、高校段階では高校段階にしか養えない職業観がある。
- 基本的なことをおさえておくと、人は成長するものというのが、アイルの考え方である。
- 情報教育は目的ではなく、ひとつの過程になる。
- 自律型人間を育てること、明日の未来を担う生徒を抱えている学校の先生方と協力していきたいと考えている。
小林先生:文部科学省のキャリア教育の予算について。
(清教学園)
高本さん:アイルはコンピュータ会社なので詳しくはわからない。特別非常勤講師の1名あたりの補助は30万円ぐらい。
(株式会社 アイル)
森本先生:市販のテキストを使っているが、独自のテキストはあるのか。
(堺女子高校)
高本さん:オリジナルテキストは移り変わりが早くかえってコストが高くなる。市販テキストは早くて丁寧でコストも安い。
(株式会社 アイル)
森本先生:評価はどのようにつけられているのか。
高本さん:今日は2年生ですが、1年生では授業の際に試験をしてその評価をもとに学校側に評価を付けてもらっている。
:2年生はグループに分けて授業を行っているが、同じようにテストを行う予定。
:アイルから提案していることもあるが、学校側との話し合いで、打ち合わせの中であわせていく。打ち合わせは
女学院の教務部長が行った。実際の授業(本日の公開授業でも)では、女学院の先生はいない。
森本先生:女学院の先生に質問。女学院の情報教育について知りたい。
※ 女学院の先生が席を外しておられるため、不在のまま話が進む。
高本さん:最初、時間数等のお話があり、何をやっていいのかわからないという相談を受けた。
:Web上の授業については、企業でもわかる人材が少なく、遊びながら、楽しく、実際に使うものを提案して、女学院のOKをもらった。また、採点等については、試験に近いものを実施している。
森本先生:パワーポイントについて、スライドの字が小さいように見えたが、企業などではどうなのか。
高本さん:王道を行けば、箇条書きにするなどの方法がある。
:テクニック的には、字を小さくして質問させるという方法もある。特に営業などで扱う場合に用いられる。
:プレゼンに正解はない。
奥田先生:学習指導要領、教科書、学校がどう授業していこうとしているのかなど、理解できているのか。
(国際大和田)
高本さん:理解できていない。
奥田先生:それはナンセンスであり、企業人としてもう少し、詰めていくべきではないか。
高本さん:企業も学校もお互いに歩み寄る必要がある。そのひとつの例として、インターンシップがある。今や学生が企業をインターンシップ的に見ているところがある。
米田先生:生徒や先生の評価は受けているのか。
(羽衣学園)
高本さん:しくみとしてはアンケートなどはやっていない。今後の課題である。
米田先生:実際、その学校で合わない場合、転勤してしまう場合などはどうか。
高本さん:契約内容による。こういうことをやりますという内容であるが、その人が合わないとか、どうしてもという場合などは代わりの者が来ることになる。事前の打ち合わせをかなりとっている。
※ 女学院の教務部長 廣田先生がもどって来られる。
廣田先生(女学院 教務部長)
:情報の授業について、当初、教科情報が始まることになり、非常に困った。数学の教員に情報免許をとってもらった。
:どうやって情報を乗り切ろうかと思った。数学科の教員は手いっぱいの状態であった。
:そんな中で、アイルの方とのお話があり、全部やってもらおうと思った。特別非常勤講師で、いけるかどうか考えた。
:特別非常勤講師の申請が下りた場合には、アイルの方に丸投げ、下りなかった場合には準備期間中に、準備をすることで乗り切ろうと考えた。
:今まで大阪府では、英語等で特別非常勤講師の許可がなかなか下りなかった。ところが、情報に関してはすっと通った。
:ちなみに、特別非常勤講師について、英語の場合は日数契約であるが、アイルは時間給である。講師として雇った場合の給料よりは安く、学校としては助かっている。
:当初、ワード、エクセル、パワーポイントをやることを決めていた。今年はワード、パワーポイント、エクセルの順でやっている。
:成績のつけ方は出席が面意。授業はきっちりやってもらっている。1年ぐらい話し合いを重ねた。当初は生徒にノートパソコンを持たせる予定であった。
※ ここで6時間目の時間が終了になり、7時間目の教室に移動することになったので、質問等は後ほどということになりました。
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